SEO業界で飯を食べ始めてもう5年が経ち、私もすっかり中堅になった。経験としては薄っぺらいかもしれないが、誰かの役に立つかもしれないので、このブログを通じてそれを余すところなくお伝えしてきたい。

では、さっそくSEO業界の今後の展望を述べてみようと思う。

SEO担当不遇の時代(コンサル/インハウス)

SEOはかつてテクニカルな要素が半分ほどだった。メタタグを最適化し、内部リンクを張り巡らせ、関連キーワードを含んだオリジナルテキストを加えれば、上位に上がりやすい傾向があった。SEOコンサルはそのような傾向を見出し、施策をパワーポイントにしたためては、上位表示で多額の利益を生み出していた。インハウスSEOも、エンジニアリソースが取れずなかなかPDCAが回せないことに苛立ちを感じながらも、それでも成果は出していた。

しかし2013年ごろから、そういったテクニカルでユーザーの役に立たない要素はことごとく通用しなくなった。よっぽど対策していないクライアントでもない限り、昔のように成果を出すのは難しい。自然検索から得られる収益性の高さは事業担当者ならよく知るところで、コンサルティング費用に月100万円近く支払われるケースも珍しくないが、それでもビジネスゴールに近い成果を上げなければコンサルもインハウスも仕事が減っていくだろう。

それでは、SEO担当はどんな能力が求められるのか。

Googleはスパムはもちろんのこと情報の理解をどんどん進め、人工知能を導入したRankBrainで言葉の意味の理解をさらに進めている。

そんなポストRankBrain時代のSEOのあり方を三つ挙げてみる。

1. 包括的なデジタルマーケティングの中でSEOができる

昔から言われていることではあるが、今後もデジタル代理店を中心にこういった動きが増えていくだろう。例えばユーザーがECで物を買う場合あらゆるストーリーが想定されるが、表示順位やCVRといった”点”の数値分析だけでなく、検索連動型広告やリターゲティングなどの組み合わせより精度の高い”線”のコミュニケーション設計・企画行える人がより高い成果が出せるはずだ。オウンドメディアの利用や、アトリビューション分析などもこれに含まれる。

参考: SEOとPPC、共存の道をさぐる ーアユダンテ村山さん、寳さん

 

2. 検索を通じてブランディングを手助けできる

例えば、女性向けキュレーションサービスのMERYはSEOが強いと言われるが、”かわいい”という編集基準とSEOの技術力が相乗効果を持った好例だ。SEOを通じて”かわいい”ブランディングを強め、ブランディングができているからこそGoogleも評価する。長文を書けば上がりやすい傾向は未だに確認されるが、それに頼ってしまうキュレーションサイトはいろんな意味でジリ貧だ。

このように、単なる上位表示だけではなく、選ばれてもらうための信頼構築まで一貫して改善のサポートができるSEOの領域を越えたSEO担当は、ニーズが強い。ただし事業コンセプトに関わることなのでインハウスとして、あるいは相当入り込んだコンサルとしてサポートしなければならない。

3. “良質なコンテンツ”を定義し、改善ができる

Googleが進化した結果、多くのSEO担当が「良質なコンテンツを作りましょう」や「ユーザーの満足度を上げないとSEOはダメです」と口を揃えて言い始めた。良質なコンテンツと言っても非常に抽象的な表現で、SEO担当の逃げ口上として有用になってしまっている(爆)。明らかに成果を上げられるとわかっている”良質なコンテンツ”は10,000文字はあるんじゃないかという長文くらいのものだが、長期的にそれがユーザーに支持されるかはわからないし、多くのコンテンツSEOは上位表示ができてもあまりコンバージョンしない、など特にC向けはビジネスゴールからは遠いこともしばしばだ。

そこで”良質なコンテンツ”や”ユーザーの満足度”という抽象的なものを定性的・定量的に定義し、その定義を柔軟に解釈しながら数値改善していくSEO担当・開発体制が求められるようになる。

まとめ

いかがだっただろうか。上記3つは対立するものではなくメディアによって、比重が変わってくるものであるはずだ。小手先のテクニックが通じなくなり「SEOは死んだ」という人がいつものように現れてはいるが、今はSEOという領域を飛び出すような能力が求められ、より高い視座での提案が必要になってきたのだと私は解釈している。

良質なSEO担当が真っ当に成果を出せる世の中になることを祈る。